【肩もみ館】身体が楽になる手の使い方


普段は整形外科クリニックで作業療法士として働いております、石原です。

本日も皆さまの仕事や生活の中で少しでも役立てられる内容になればと思います。

よろしくお願いいたします。

前回は、人間の『脳機能』から『手』の重要性を説明させて頂いたと思います。

今回は、人間には必要不可欠な動作『呼吸』と『手』の関係を説明させて頂きたいと思います。

まず呼吸ですが、呼吸は様々なパターンに分けることができます。

例えば…

吸気(吸う)と呼気(吐く)   腹式呼吸と胸式呼吸   鼻呼吸と口呼吸   安静時呼吸と努力性呼吸  etc…

この中で、どっちが良くてどっちが悪いということはありません。人間に備わっている機能なので全て重要ですが、

手作業や仕事を行う時には、適切な呼吸方法があります。

それは、呼気を長く(吸気の三倍)、腹式・鼻呼吸で、できるだけ努力性呼吸を伴わないようにすることです。

一つずつ解説していきます。まず、呼気を長くする理由として、人は緊張やプレッシャーのかかる場面では無意識に息が止まります。また、呼吸が浅く・早くなることがあります。これは交感神経系の働きにより血管の収縮などが起こることで、身体が酸素不足と勘違いをして息を吐くことをストップさせるからだと言われています。

しかし、これは交感神経系の興奮による勘違いであり、本来息を吐かなければならないのです。息をゆっくり吐くことで体中に酸素が行きわたり緊張やプレッシャーからも解放されます。

そして、次に腹式・鼻呼吸を行うことの有用性をお伝えします。

まずは皆さん、口呼吸をしてみて下さい。顎が上がったり、少し上体が反ったりしたのではないかと思います。口呼吸をすることで首や背中の筋肉を過剰に使いすぎてしまいます。

そのため、鼻呼吸をすることでニュートラルで自然体の姿勢で呼吸をすることができます。さらに腹式呼吸をすることで腹筋群が働き、余分な首や背中の筋肉の緊張が緩和されます。

そして、最後に努力性呼吸を伴わないようにすることです。

人は走って酸素をいっぱい必要としているときは呼吸を大きくします。自分でゆっくり・早くと操作することもできます。

それは、補助呼吸筋として腕や首を動かす筋肉が、肺を覆っている肋骨や胸骨に着いていてその筋肉を操作することで可能となっています。

しかし、それらは本来、補助として使われるものなので普段から胸式呼吸で努力的に胸や首などを使い呼吸をしてしまうとパソコンやデスクワークをするだけで、余分に首周りや肩の筋肉に力が入ってしまいます。特に肩こりの原因として挙げられる肩甲挙筋のさらに奥にある「上・下後鋸筋」が過剰に働きすぎている場合はただただ肩もみをしただけでは筋肉は解れません。

呼吸を使ったより深いリラクゼーションが必要となります。

そのため、普段から呼気を長く(吸気の三倍)、腹式・鼻呼吸で、できるだけ努力性呼吸を伴わないようにすること、を意識しておくことが大事になります。

今回は『呼吸』という視点からお話しさせて頂きました。

最後までお読み頂きありがとうございます。