机に座ってパソコンを使っている人を見ると
「アゴがあがっている人」が多い事に気づきます。
皆さんも心当たりがありませんか?
アゴが上がっていると背中が丸くなってしまうだけではなく、
腕や脚にも上手く力が入らなくなります。
パソコンのキーボードを叩く動きは、指を曲げる動きです。
イスに座っている時、しっかりと足を地面について支えるのは、
脚を伸ばす動きです。
この動きがやりづらくなってしまうのです。
実は、人間の体はアゴの位置によって、腕や脚の使いやすさが変わります。
専門的に言うと、「対称性頸反射」と言う反射運動なのですが、
膝を叩くと足がピョンと動くのと一緒で、もともと人間が持っている反射の一種です。
どういうものかというと、
アゴを上げる → 腕が伸ばしやすくなる。 脚が曲げやすくなる。
アゴを下げる → 腕が曲げやすくなる。 脚が伸ばしやすくなる。
というようにアゴの位置によって、腕や脚の力の入りやすさが変わるというものです。
例えば、
逆上がりができない時に 「アゴを引いてやりなさい。」と先生に言われなかったですか?
これは、アゴを引く(下げる)ことによって、
腕が曲げやすくなりグッと力が入り、体をしっかりとひきつけられるようになる事と、
脚が伸ばしやすくなり、地面をしっかり蹴る事が出来るようになるからなのです。
逆にアゴが上がってしまうと、腕が伸びやすくなり、脚が曲がりやすくなってしまうため
逆上がりに必要な力が入らないのです。
これと一緒で、走っている時に疲れてアゴがあがってくると「アゴを引け」と言われます。
これも、しっかり腕を曲げて脚を伸ばすためです。
ただ意味もなく「アゴを引け」と言っているわけではなく、こういう体の仕組みがあったのです。
机でパソコンを使用する時も「アゴを引く」方が疲れにくくなります。
脚が伸ばしやすくなる事で、しっかりと足を地面につけて安定しやすくなります。
足が地面についていないと、お尻の部分だけで体を支えるようになってしまうため、
体のバランスを取るために背中に力が入ります。
腕が曲げやすくなる事で、キーボートを叩く、指を曲げる動きがやりやすくなります。
これによって、腕や肩に入っている無駄な力が抜けて楽になります。
デスクワークをされる方は、机でパソコンを使う事が多くなると思います。
そんな方は、ぜひ、「アゴを引く」事を意識してみてください。
肩もみ館スーパーバイザー 伊賀